ロシア革命
 
1905年の「血の日曜日」事件をきっかけに始まった労働者による革命をロシア革命と呼ぶ。この革命は17年間におよび、帝政の崩壊をもたらす。特に1917年に起きた二月革命では、戦争によって疲弊した労働者や農民が打倒ブルジョワを叫び、皇帝ニコライ2世の退位をもたらした。王侯貴族たちに愛されたボルゾイも、ブルジョワの象徴的な犬として虐殺の標的にされたのである。
ロシア革命を亡命により生き抜いた貴族(インペリアル・ファミリー)が、アメリカのブリーダーに宛てて書いた手紙が残されています。1950年代に、アメリカの雑誌『Riders of Wind』に掲載されました。
(訳:BORZOI.jp)
親愛なるマダム、
体の調子を悪くしていますがあなたからの手紙は受け取っています。今はすこし調子がいいので、あなたの質問にお答えしたいと思います。
あなたが「ドッグゲーム」と名付けている、経験を元にした楽しい推測を、大変興味深く読ませていただきました。ずいぶんボルゾイに傾倒しているようですね。手紙を読むのがとても楽しかったです。
 
あなたは、私のボルゾイに何が起きたかを尋ねておられました。私たちは私たちの手によって、犬舎を破壊しました。彼らは射殺されたのですよ。そして、私たちの土地に埋められました。他でもない私自身が、こうするように命令を出しました。あなたはショックを受けるでしょうねぇ。でも、これは彼らに対する慈悲なのです。わかってもらえると思うのですが、私たちに残された日々は残り少なくなっていました。私たちはどうにか生き延びようとしていました。私たちはそれから繰り広げられようとしている悲劇の全貌を、もち
ろん知っていたわけではありませんが。
 
私はこの日、屋敷にあるものを、持ち出せるものは持ち出し、そうでないものは破壊してしまおうと大急ぎでした。それはそれは大混乱でした。ほとんどの人が私より先に逃げ終わっていました。友人が犬をどうするのかと尋ねました。犬たちは犬舎で遠吠えを始めていました。私は言いました。「やつらには、燃やしたり殺したりさせるものは何も残さない。」私たちの馬は、既に軍の食料として持っていかれていました。しばらく後、私たちは犬たちのもとへ行きました。彼らは、私の姿を見ると静かになりました。私は彼らを見、彼らは私を見ました。そして私は、彼らが怖がっているのがわかりました。ボルゾイは他の犬たちとは違います。かれらは差し迫った危険を予期できます。召使いが臆病者で何日も放っておいたため、ボルゾイたちは非常に汚れ、お腹を空かせていて、それがとても悲しく感じました。召使いに、犬たちを森の中へ連れ出し、銃殺するように言いました。私と友人は、私たちの馬のところに立ち、召使いが犬たちを連れ出すのを見ていました。ロープを結び、引いていきました。犬たちの姿は私に勇気をくれましたよ。ボルゾイたちは彼らの世界の終わりである死に向かって、気高く歩いて行ったのです。
全てが終わった後、私と友人は全部が死んでいるかを確認しに行きました。そして倒れている場所に埋めました。
 
200年もの間、私の一族はボルゾイを誇りにしていました。あの最後の時から、私はボルゾイを見ていませんが、彼らに対して特別な愛情を今も持っています。彼らは誇りある生き物です。本当に気高い動物なのです。他の人のボルゾイは、私のボルゾイたちほど公平には扱われていません。中には解放されなかったものもいましたし、暴徒の手に残されたものもいました。