迎える

こちらを読んで下さっているみなさんは、ボルゾイとはどういう犬か、どういう運動とどういう世話が必要か、自分のライフスタイルに合っている犬か、既に何度も考えて、覚悟ができている人がほとんどでしょう。もしもそうでない人は、どうぞもう一度、本当に自分はボルゾイという犬とやっていけるのか、冷静に客観的に考えてみてください。

犬は物ではありません。しかし、「犬は物ではない」という言葉は、犬を物として扱っている人ですら口にできます。物として扱っているかどうか、この判断基準となるスタンダードは定められていないのですから、誰だって言えることなのです。
でも、もしBORZOI.jpが「犬を物扱いしていないかどうか」のスタンダードを作るとしたら、繁殖者選びもこのスタンダードの中に含めるでしょう。本当に犬を犬として、家族に迎えようとするのなら、決して衝動買いはしないでください。見た目だけ、本物を見ることなく情報だけ、このどちらかだけでも、ボルゾイを迎える決心をするには、まだまだ早すぎます。自分なりの情報収集と同時に、ご自分が選ぼうとしているボルゾイという犬種を真剣に考え、本当に大事に思っている人(繁殖家)から話を聞き、大事な家族を迎えるかどうかを最終的に決めて下さい。



ペットショップとブリーダー

ボルゾイはどこへ行ったら購入できますか?

餅は餅屋なら、ボルゾイは・・・犬屋? いいえ、ボルゾイはボルゾイ屋でしょう。ボルゾイの繁殖を専門になさっている繁殖家から譲り受けてください。

全てのショップが悪いとは言いませんし、ボルゾイについては犬の質にしても、繁殖者から直接に比べて、犬の質にそう極端な差はないと言われています(未確認情報)。しかし、犬が生まれるまで、生まれてから新しい家族の元へ旅立つまで、旅立った後では、繁殖者から直接もらうことによって、少なくとも以下のようなメリットがあると考えていいでしょう。


◆生まれる前
繁殖家によって繁殖をされた場合、より健全な犬に巡り会う確率が高まります。多くのショップの場合、その繁殖者が繁殖であるか、それとも繁殖(別項参照)かどうかの確認ができません。でも、少なくともショップへ犬を卸す繁殖者は、自分の犬がどういう家へ行こうが気にも留めない、あるいは、気にはしていても、自分で新しい家族を確保してやるだけの準備ができなかった繁殖者による繁殖ということが推測できます。


◆生まれてから
子犬に必要な社会化が行われる、もっとも大事な時期です。社会化とは、大まかには、母犬や同腹犬と過ごすことで、他の犬とのつき合い方を学ばせ、基本的な人間への愛情を培い、人間の暮らす環境へ順応させることを言います。社会化によって、その犬の一生の性格が決定されると言っても、言い過ぎではありません。ふさわしい社会化によって、将来暮らしていく環境で、新しい物事を受け入れる精神的下地が築かれ、それによって、感じる必要のない不必要な恐怖や、恐怖によって引き起こされる攻撃性を身につけることが避けられます。
蛇足ではありますが、どこを経由したどの犬種であっても、犬の飼い主はその後もほぼ一生を通して社会化を続けていく努力が必要です。


ボルゾイは、生まれてから1年間が、健全な骨格を完成させるために重要な期間と言われています。日本のほとんどの家屋が、ボルゾイにとって十分なスペースとは言いづらいものがありますが、それでも、ショーケージの中よりは広いスペースで、兄弟たちと組んず解れつ格闘し、親犬の後ろをついてまわる運動量は確保できるでしょう。


犬は全て、生後数ヶ月は母犬から病気の免疫抗体を受け継いでいます。しかし、なにかの不都合によって、免疫がうまく作れていなかったり、必要以上に危険にさらさないために、子犬は生後4ヶ月のワクチン接種が終わるまでは、外へ出してはいけないと言われています。生まれた家にいることによって、より少ない人数の人間が確実に子犬を病気から守ってやることができるでしょう。


◆新しい家で
中には、繁殖者からしつこく様子を聞かれたり、譲渡後にもやりとりを望まない家族もいるでしょう。犬が健康でいて、繁殖も考えない限り、その人たちには、あまり重要ではないことかもしれません。しかし、初めてボルゾイを飼う家族には、飼育上のアドバイスがとても頼もしいものです。繁殖を考えている場合には、子犬を選ぶ時点から、将来の計画について相談しておくことができます。また、万が一、重大な遺伝性かもしれない病気が発生した時には、同じ犬舎で発生した犬がいるかを聞き、他の犬たちの治癒例や、その分野の病気が得意な獣医を紹介してもらったり、繁殖家であれば、その病気の発生を深刻に受け止めるでしょうから、今後のボルゾイたちを守る貴重な情報として、それを伝えて役立てていくことができるかもしれません。また、どうしても飼い続けられない事情ができたときには、犬は実家へ戻って、そこから再び、犬生をやり直すことができます。


註:病気については、生き物である以上、繁殖者がどれだけ気を配っていても、防ぐことができない場合もあります。完治しないと診断された犬を目の前に、一生不平を言い続けるようであれば、繁殖者へ犬を戻すことも、ひとつの方法です。それによって、犬を物扱いしたと非難されたくないのであれば、繁殖者も物を作ったわけではないのですから、繁殖者の非難もするべきではないでしょう。譲り受ける前に、犬という生き物を迎えることに付随するリスク、繁殖者の健康に対する配慮も、十分に納得しておきましょう。

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繁殖家と繁殖屋

残念ながら、ボルゾイの繁殖者にも、繁殖家と繁殖屋という分類をしなくてはならないほど、さまざまな繁殖者がいます。

BORZOI.jpは、メーリングリストZoiで話し合った結果、これらは以下のような定義にたどり着きました。

繁殖家とは、「スタンダードを踏まえ、犬として、かつ、犬種としての心身の健全性を向上させるという目的を含めながら、ブリーダー心得を意識しつつ、繁殖を行う人」です。


動機はお金儲けでも、かわいいからでも、犬の世界で有名になりたいでも、何でもアリだと思います。ただし、お金儲けと繁殖家でいることは、現実的に不可能かもしれません。たとえ多少の儲けが入ったとしても、繁殖家は次の繁殖の資金にしてしまうでしょうし、食べていけるだけの繁殖回数を、繁殖家としての質で行うことは不可能ですから。


また、繁殖屋とは、繁殖家以外の繁殖者全てです。素人であることを免罪符として(しなくても)、感情のままに繁殖を行う人、お金儲けのために繁殖を行う人(犬に相当負担をかければ可能かもしれませんが)等、目的がどうであれ、犬種としてのボルゾイの向上を伴わない繁殖をする人たち全てを示します。つまり、ボルゾイのスタンダードを壊している人です。


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繁殖家の見分け方

こちらも、メーリングリストZoi内でまとまった内容です。管理人といい、世話役といい、メインがこういうレベルだというのに、なんて役立つMLなのでしょう〜(宣伝)。

まず、この見分け方には、あなたがスタンダードについて質問することが必要になります。スタンダードのところでも触れていますが、質問する側がある程度(理解術ステップ2以上?)までは、スタンダードを理解しておかなくてはなりません。
その上で、繁殖者が説明してくれなければ、以下を質問します。


・どういう犬を作りたいか(目標)
・その父犬と母犬の組み合わせの理由(目的)
・それぞれの短所(生まれた犬の短所も)


また、繁殖者が、これらを明確に説明できるか、説明する意志があるかどうかという点も、繁殖家と繁殖屋を見分けるポイントになります。ただし、自分に全く知識がなければ、好き勝手な解釈で間違ったことを言っていたとしても、気づくことはないでしょう。


同じように、健康面、性格面についての配慮についての情報を求めます。
性格面については、サーチエンジンで「パピーテスト」を検索してみてください。「パピーテスト」とは、こちらから与える刺激への反応によって、その子犬がどのような性格に育っていくかを推測するための目安になるテストと言われています。


さらに、適当な飼育環境(スペース、衛生面、人間との距離等)かという点にも着目します。


ところで、ボルゾイという犬について、かつては同属のオオカミを狩っていたということから、他の犬や、時には人に対しての攻撃性を肯定する繁殖者もいます。これは、ボルゾイとしてではなく、犬として成立していません。今日の犬は、人間の生活の中で生きていく以外に術はないのですから、頼るべき人間を襲い、昔から共に作業を行ってきた同じ犬を攻撃するということは、決して認められるべきではありません。意識的にこのような犬を作ったり、肯定している繁殖者は、今日の犬のあるべき姿すら、理解していないとも言えるでしょう。


めんどくさ〜と思われるかもしれません。しかし、これはボルゾイのスタンダードを守るために、大切なことなのです。スタンダードを守るということは、将来、自分が迎えるボルゾイが、できるだけ健康で、できるだけ性格が良く、できるだけ美しいかということに、直結しているのです。どれも完璧である必要はありません。でも、完璧を目指し続けていきたいことであると、私たちは考えています。

そこで、再びBORZOI.jp版ステップ別ボルゾイ入手法理解度術。


◆ステップ0:
知人からもらった犬が、たまたまボルゾイだった。「うちの犬って、ボルゾイって言うの?」


◆ステップ1:
ボルゾイあたりが欲しいと思っていたら、近所の一般家庭で生まれていた。ショップで見つけた。


◆ステップ2:
ボルゾイを探して、雑誌や新聞、インターネット等で見つかったところ、またはそれらの媒体を経由して教えてもらったところから譲り受けた。


◆ステップ3:
ボルゾイを探して、雑誌や新聞、インターネットからいくつか見つけて、犬のことはわからないので、繁殖者の印象で選んだ。


◆ステップ3:
ボルゾイ友達も作り、前情報を仕入れつつ、犬のことはわからないので、良さそうな繁殖者を数人の中から選んだ。

◆ステップ4:
いくつかの良さそうな繁殖者を見つけ、親犬や子犬と遊ばせてもらった印象と繁殖者の印象の両方で選んだ。


◆ステップ5:
ボルゾイ友達も作って犬を見せてもらい、いくつかの良さそうな繁殖者を見つけ、その犬舎の出身犬や、親犬や子犬と遊ばせてもらった印象と、繁殖者の印象で選んだ。


◆ステップ6:
いくつかの良さそうな繁殖者の中から、自分のスタンダードの知識と、その犬舎の出身犬や、親犬や子犬の性格から総合的に選んだ。


◆ステップ7:
自分のボルゾイの理想像(色や大きさではなく)があり、理想に近い犬をつくっている犬舎から、自分で犬を選んで譲り受けた。


◆ステップ8:
自分の理想のボルゾイをつくっている繁殖家(よいブリーダー)から、犬を選んで譲り受けた。


1頭目のボルゾイは、ステップ0〜2でも、仕方のないことかもしれません。しかし、BORZOI.jpはこうして掲載することで、できるだけ多くの人に、3以降のステップを踏んで、できればステップ6以降で、ボルゾイを迎えていただけるよう願っています。

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ペットタイプ

チャンピオンの子犬でなくてもいいから、ペットタイプでもいいから、とにかく安く欲しい。たまにこのようなお問い合わせをいただきます。このような方たち全員が、迎えた後でいざ手術が必要になったとしても、犬を見捨てることはないのでしょうが、でもちょっと、どこか違うような気がしてしまいます。


BORZOI.jpは、みなさんに心からお願いしたいのです。犬は値段で選ばないで下さい。犬はまず、繁殖者で選んで下さい。それから、犬を見ることができる人は、犬で選んで下さい。


繁殖家の場合、一見価格は高く思えるかもしれませんが、犬による儲けがある人は、ほとんどいません。繁殖のために、別の収入手段を持っているはずです。まともな繁殖は、職業にはなり得ません。薄利多売の繁殖屋からの犬の場合でも、もしかしたら、性格もよく、一生病院代も大してかからず、長生きしてくれるかもしれません。しかし、繁殖家から迎えるのに比べると、犬に対する配慮が少ないと予測される分、その確率は低くなると考えざるを得ないでしょう。スタンダードを壊す資金提供をして、病院代や賠償金に一財産をつぎ込むか、健全なボルゾイを目指している繁殖家から、若干多めに支払ったとしても、その繁殖家を支援しつつボルゾイを迎えて、一生病院に縁もなく過ごすか、どちらの確率を選びたいでしょうか?


もちろん、安くてクオリティの高い(健全な)犬を迎えられるなら、それに越したことはありません。しかし、犬の譲渡時に支払われるお金は、次の繁殖の資金、つまり、将来のボルゾイのために使われるということも、忘れないでいただきたいのです。ご自分が、ご主人が働いたお金は、どのように役立てたいですか?センターで殺処分されるボルゾイを作るための資金にして欲しいですか? それとも、より良い環境で生まれ育てられるよう、将来の親戚犬たちへの贈り物にしたいですか?


譲渡のためにお金を払うということは、あなたが迎えるだけのためではなく、ボルゾイという犬種全体に対して、良くも悪くも繁殖者に資金を提供しているということを、どうぞ念頭においていてください。


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