スタンダード

スタンダードとはなんぞや?

スタンダード(standard)を辞書でひいてみてください。そこには「基準」や「規範」、「尺度」というような説明がされているはずです。JKCでは「犬種標準」という訳語が使われているように、純血種としてのその犬種の標準を言葉で表したものを、一般に「スタンダード」と呼んでいます。

ちょっと純血種の世界に入ってみると、まるでスタンダードとは、一般にはドッグショーのショーリングの中や、繁殖あたりで使うものなのかなといった思いこみをしてしまいがちです。しかし、あなたが「ボルゾイ」が欲しいと思った瞬間から、実はあなたにスタンダードが関わってきているものなのです。



スタンダード活用ステップ別理解術

しかし、現実的には、いったいどういう風に、私たちのようなフツーの愛犬家にスタンダードが関わってきているのでしょう?そこで、BORZOI.jp版スタンダード活用ステップ別理解術なるものを即席で作ってみました。


◆ステップ0:
犬種には興味ない。「これは犬ですか?」とか「えっ、ぼ、ぼろぞい?」レベル。


◆ステップ1:
スタンダードというものがあることを知っていて、ボルゾイと他犬種の違いがわかる。いわば、一般に売られている犬種図鑑レベル。どの犬にしようかと考えて、「ボルゾイが欲しいかも」と思いはじめるあたりのレベル。


◆ステップ2:
外見的な部分で、スタンダードによって基準と定められている部分と、基準とは明らかに異なっている部分(カウホック、ブルーアイ等)がわかり、その説明ができる。


◆ステップ3:
犬を見て、顕著ではなくてもスタンダードに合致しない部位がわかり、その理由を説明できる。


◆ステップ4:
スタンダードの範囲内で、より健全である犬を見分けることができ、その根拠を説明もできる。ショーにハマり始めた人のあたりかな?


◆ステップ5:
スタンダードを踏まえて、自分が持っているボルゾイの理想像の説明ができる。つまり、スタンダードの中で、読み手の解釈が必要な部分まで理解し、自分なりの解釈を持っている。


このように、スタンダードは「犬種としてのボルゾイについて関心のある人が、ボルゾイとはどういう犬かというところから、より健全なボルゾイの特徴までを文章で表した基準」という定義が可能でしょう。

ですから、繰り返しになりますが、私たちが犬種というものを意識し始めた時から、スタンダードは関わってきているものなのです。つまり、犬を飼う全ての人が、意識的に守っていかなくてはならないものだと、BORZOI.jpは考えています。スタンダードがなければ、私たちは「ボルゾイ」という表現を使って、家族候補を探すことすらできなくなってしまうのですから。


スタンダードは、その犬種に傾倒した一部のマニアのためだけのものではなく、ボルゾイが好きな全ての人に意識的、無意識的に関わらず活用されるものであり、守ってはいかなくてはならない、犬種としてのボルゾイの基準を定めたものです。

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スタンダードを守る

前項目で、スタンダードって意外に身近なもんかもしれない、それなら守ってかなくちゃなんじゃない?と感じていただけたでしょうか? では次に、スタンダードを守るということは、具体的には何をすることでしょう?


自分の犬をスタンダードに照らし合わせてみて、スタンダードではなかったら、けちょんけちょんな扱いをしたり、他人に対して恥じなくてはならないということでしょうか? このような質問を掲載すること自体、BORZOI.jpの常識を疑ってしまうと感じていただけていたら、すごく嬉しいです。しかし、残念なことに純血種のコミュニティでは、意外に多く耳にすることなのです。スタンダードはその犬種を知るための基準なのであって、家族としての自分のボルゾイへの愛情の深さを決定するための基準ではありません。


簡単に分けて、私たち飼い主ができることは2つあります。それらは、以下の通りです。
・よいブリーダーから犬を譲り受けること
・安易な繁殖を行わないこと


よいブリーダー、つまりBORZOI.jpで使用している言葉では「繁殖家」から犬を譲り受けること、安易な繁殖については、別項で触れたいと思います。

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スタンダード

世界にはその国のブリードクラブが持っているスタンダード(AKC、TKC/KC、CAC等)と、FCI(JKCもこの加盟国)のスタンダードが混在しています。その中のほんのいくつかを比較してみたところ、基本的にはさほど大きな違いはないようですが、微妙な表現の違いが見受けられました。
ネット上での(無料)和文スタンダード公開に先立ち、問い合わせを行ったほとんどから、現実的にBORZOI.jpには不可能な条件が提示されました。これには参りましたが、同時にこれはそれぞれのブリードクラブが、いかに自分たちのスタンダードを大事にしているかという証拠に他ならないと、改めてスタンダードの大事さを痛感することができました。

数年がかりであちこちにしつこく問い合わせを繰り返した結果、AKCのスタンダードの所有者であるBCOA(ボルゾイクラブオブアメリカ)が、ご親切にもわざわざ和文を準備して下さることになりました。ここで公開をしているスタンダードは、日本時間の2003年5月9日にメールにて受信したものを、BORZOI.jpは一切手を加えず、そのまま掲載しています。

公開にあたり、代表のSmith氏をはじめとする役員会の方々、和訳で大変なご尽力を賜りましたTomoni様をはじめとするクラブの会員のみなさまに、BORZOI.jpは心からの感謝をお伝えしたいと思います。


ボルゾイのスタンダード


【外見全般】 ボルゾイは、嗅覚よりむしろ視覚に頼って野鳥獣類を追うという、大概平原で行われた狩猟用にもともとつくられた。 そのため、獲物を追い捕まえ取り押さえられる特殊な骨格が必要とされた。 健全で、十分な脚力と強靭な首と口を備え、勇ましく敏捷であることが重要視される。 なだらかな体形で、常に疑いよう無く優雅であり、動いている時も休んでいる時も気品にあふれた姿をしている。 牡はがっしりとしているが荒々しさはなく、牝はやや丸みを帯びて優美な姿をしている。


【頭】 頭蓋は細長くややドーム型で、先はそのまま途切れなくローマンノーズとなっている。 口は長く強靭で厚みがあり、牝の場合は先が尖る程ではが幾分細い。 歯は強くて清潔であり、先端咬合(イーブンバイト)あるいは鋏状咬合(シザーズバイト)である。 欠歯は減点される。 鼻は大きく、黒い。


【耳】 耳は小さく聴力に優れ、平静時は首上で後ろにもたれ、後方に反り返ると耳先は後頭部下でほとんど触れ合う。 注意時は立つ。


【目】 目はやや斜めについており、色は濃く、利口に見えるが優しい表情をしている。 丸い目、飛び出た目、見開いた目、色素の薄い目ではならない。 ふちは濃い。 目頭は鼻先と後頭部を結んだ線上の中程に位置する。


【首】 すっきりとして喉のたるみは無く、弱冠アーチ型を描きながら、しっかりと据わっている。


【肩】 き甲(ウィザード)部分で細く、斜めにつき、でっぱり部分や余分な肉はない。


【胸】 胸部は非常に深さがあるが狭目である。


【肋骨】 膨らみはほんの少々だがとても深さがあり、心臓と肺運動のためのスペースを保つ。


【背】 腰部分で少々盛り上がり、優美な曲線を描く。


【腰】 非常に筋肉質だが、深い胸部と比べ背・肋骨部分が短いために押し上げられている。


【前肢】骨はまっすぐで、鋭利な側が前に向いた刃のようにやや平らである。 ひじは自由に動くが、外側・内側には向いていない。 パスターン(繋)は頑丈である。


【足】 ウサギ足で握りが強く丸く盛り上がり、つま先は閉じ、肉厚である。


【後肢】 長く大変筋肉質で力強く、膝部分で曲がっている。 前肢よりいくらか幅広い。 大腿部・下腿部は強健で、中足はすらりとまっすぐ下に向いている。 後方から見ると、二肢は平行に立っている。


【上爪・狼爪】 後肢にあれば通常切除され、前脚にある場合も切除して良い。


【尾】 長く、低位置に保たれ、美しい曲線を描く。


【被毛】 長く絹状で(羊毛状ではない)、直毛、ウェーブ状、巻き毛のいずれでも良い。 頭、耳、肢の前部分の毛は短く滑らかで、首まわりは毛量が多くややカールしている。 後肢及び尾の毛は長く量が多く、胸部・前肢後部の飾り毛はそれよりも短く少ない。


【色】 どのような色・配色でも良い。


【サイズ】 成犬の牡はウィザード(き甲)部分で28インチ(約70センチ)以上、成犬牝は26インチ(約65センチ)以上である。 牡牝共この最低値に満たない場合は顕著に減点される。 左右の釣り合い、走るスピード、立ち姿勢に支障が出ない限り、特に大きくても減点されない。 体重の範囲は牡で75ポンド〜105ポンド(約33.7キロ〜約47.2キロ)、牝は牡よりも15ポンド〜20ポンド(約6.7キロ〜約9キロ)軽い。


【歩様】 前肢は、強くてばねのあるパスターン(繋)を使い、前に良く伸びる。 小股で余計な動きをともなった歩様、縫うような歩様、交差する歩様は望ましくない。 後肢は前肢より開いているが、速足の際、前肢・後肢共その間隔は狭くなり中心線に近づく。 横から見た場合、後肢の膝と膝関節に十分な角度があり、大股で地面をまたいで闊歩する際にはっきりと脚力が見られる。 動いている時の全容は、楽な力強さと持久力に満ち、速く機敏であり、滑らかで上品な姿をしている。


【短所】 前述の解説がボルゾイの典型である。 ボルゾイがつくられた本来の基本目的のため、様々な特徴が寄与していることの重要性をよく心に留め、 その特徴から外れている場合はその逸脱度合いに応じて減点されなければならない。


04/2003 提供:Borzoi Club Of America

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