健康管理

病気の早期発見のためには、健常時の状態をしっかり把握しておくことが大切です。日常生活をよく観察し、よく触り、「フツーに元気」な犬の状態を知っておきましょう。より専門的に健康状態を把握したい人は、犬の内モモから脈、耳をあてて心音、呼吸数を、暑いとき寒いとき、運動前運動後などで調べておくとより安心ですね。体温の計り方など、獣医さんで教えてもらえますよ。



子犬の健康管理

生後2ヶ月   → ワクチン&検便・駆虫
生後3ヶ月   → ワクチン2回目&検便・駆虫
生後4ヶ月   → 外出解禁

ワクチンには1種類の単体から8種類の混合などがあります。獣医さんと相談して、犬と地域に合ったものを選んでください。
それから、狂犬病のワクチン接種は飼い主の義務になっています。獣医さんで打ってもらって、獣医さんが登録をしてくれるところもありますが、獣医さんが登録を代行していない場合は、自分で保健所へ登録をしに行きます。または、集団接種で接種する方法もあるので、日時や場所を保健所に問い合わせてみてください。

狂犬病は、すべての哺乳類に感染する恐ろしい病気です。日本では1950年代以来発生していないとされていますが、世界的にはまだ根絶されたわけではありません。日本でも「狂犬病予防法」という法律によって、犬のワクチン接種と登録が飼主の義務となっています。
法を守るのは当然のことながら、万が一、なんらかの事故があった場合(なにかの拍子に歯があたっただけでも「咬まれた!」と言われるかも知れません)、責任を持って飼育しているという証明のためにも、かならず狂犬病ワクチン接種は受けましょう。そして、数年前からエキゾチックアニマルの飼育が流行っている日本では、検疫を抜けて狂犬病が大発生する可能性がゼロとは言えません。「狂犬病なんて日本で出ないんだから関係ないわ」というアドバイスをときどき耳にしますが、無視しましょうね。

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季節ごとの健康管理

春か秋
  → 狂犬病予防接種
4月(土地により若干違う)
  → フィラリア予防の投薬前の血液検査のついでに健康診断も
4月〜11月(土地により若干違う)
  → フィラリア予防の投薬&ノミ・ダニ対策

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年に一回

ワクチン(病気によっては半年に1回等、単体で追加接種するのを奨める獣医さんもおられます。相談してみてください)

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不妊手術(去勢・避妊手術)

このマニュアルの冒頭で、私たちが既に選択をしたものについて、その選択結果には触れないようにしてこのマニュアルを作成しようとしていると書きました。しかし、不妊手術(以下「手術」)にはメリットもデメリットもあり、必ずしもどちらか片方だけではないという結論をもっていることだけは、まず書かせてきただきたいと思います。
手術のメリットについては、項目としてあげていくときりがないほど続き、デメリットはほんの少しの項目しか出てきません。しかし、それで本当にデメリットの方が少ないと断言するのは、危ないことのように思われます。獣医さんによってはメリットだけでデメリットは一切ないとおっしゃる獣医さんから、そのまったく逆のことをおっしゃって手術を拒否する獣医さんもおられます。
手術のメリット・デメリットと、手術をしていない場合のメリット・デメリットを、1人の獣医師や訓練士、1人のブリーダーではなく、できるだけたくさんの専門家や資料にあたり、自分で自分の犬に手術をするかしないか、いつするとよいのかの選択をしてください。「健康な体にメスをいれるのはかわいそう」や「手術の事故が怖い」という人間側の感情論を、犬に押しつけるのではなく、人間社会で生きていく犬の精神面、肉体面の健康と、それに対する手術の影響をよくお調べになって、誰のものでもない「自分の犬」に、後悔のない選択をなさってください。

以下に簡単にBORZOI.jpが知る範囲での手術のメリットとデメリット(一般に言われている証明されていないものを含めて)の一部を記載しておきます。詳しくは獣医師等の専門家に質問して下さい。

メリット デメリット
寿命が延びる、子宮蓄膿症・子宮内膜炎の予防、肉芽腫性子宮内膜疾患・子宮癌・卵巣癌の予防、乳腺腫瘍・乳癌の発生率の低下、出産に伴う産科疾患の予防、産褥性子癇の予防、出産分娩に関する事故死の予防、想像妊娠の予防、膣出症の予防、伝染性生殖器腫瘍の予防、ブルセラ病感染のリスクの減少、アトピー性アレルギー疾患の緩和、アカラス症の緩和、脂漏性皮膚症の緩和、慢性外耳炎の緩和、糖尿病の緩和、クッシング病の緩和、アレルギー性慢性気管支炎の緩和、睾丸腫瘍の予防、セルトリ細胞腫の予防、肛門周囲腺腫の予防、精巣上体腫瘍の予防、前立腺肥大の予防、嵌頓包茎の予防、伝染性生殖器腫瘍の予防、遺伝病蔓延の防止、生殖関係のホルモン分泌による行動学的問題の防止または改善、安易な繁殖の防止と防止による殺処分される頭数の減少とスタンダードの保持、メス犬のヒートを気にせずお出かけ可能・室内が汚れない・オス犬に必要以上に神経質にならなくて良い、等 麻酔を含めた手術の危険性(どのような手術にもつきまといます)、太る(消費カロリーが減るので、食事量の調整が必要。食の細い犬が多いボルゾイにはメリット? 食べ物をモチベーターとした訓練が行いやすくなるメリットもあり)、早期手術では骨格が成熟できない(実験ではこのような事実は確認されていない)、早期手術では生殖器が未発達になる(ペニス、外陰部の大きさが小さくなるが、尿道の太さには違いはない)、メス犬の頻尿(性ホルモンの投与を行う治療を行うことからきた迷信?)、皮膚病(かつては性ホルモンの投与を行う治療を行っていたことによる迷信?)、メス犬のオス化(迷信?医学・行動学上では確認されていない)、ドッグショーに出せなくなる繁殖ができなくなる
(参考資料:動物の会アルファによる『不妊去勢手術』)

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代表疾患・遺伝疾患

ボルゾイ特有、ボルゾイに多く見られるという病気です。これらついては、中途半端な素人知識が悪影響を及ぼすおそれがあるため、病名だけにとどめます。詳しくはかかりつけの獣医さんに質問してみてください。一般に言われているのは、下記の通りです。(実際には心臓についてよく耳にしていますが、公式な代表疾患にはあげられていませんでした)

鼓腸症、捻転 
  ←消化器、精神・神経
限局性石灰沈着症、水滑液嚢腫 
  ←皮膚
白内障、進行性網膜萎縮症(PRA) 
  ←目
低フィブリノーゲン症、ウイルブランド病
  ←血液(出血傾向)
甲状腺機能低下症、リンパ球性甲状腺炎、甲状腺炎
  ←ホルモン(内分泌)
股関節形成不全 
  ←整形外科
歯の欠如 
  ←歯科

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血統書ってなに?

用途は違いますが、ニュアンス的にはスタンダードと同じように、血統書がついていることが犬の価値につながるものではありません。血統書も、犬の価値ではなくて人間のためのものです。基本的に、どんな純血種にもついてくる、犬種団体発行の紙です。そしてその情報は、純血種にはスタンダードを守るため、そして愛犬と幸せな生活を送るために活用します。


では、血統書は実際に、どうやって使うのでしょうか?


まず、繁殖について。
BORZOI.jpは「かわいいから」という理由だけの繁殖は否定しています。でも、たとえばショップ出身の我が家を、「かわいいから」繁殖するために必要になる、その子のバックグラウンドを確認することができます。お父さんはどういう犬で、健康状態はどうであったか。お母さんはどの犬で、どういう性格の犬だったのか。また、重大な遺伝病が同じ血統やラインの血を持っている犬に発生していないか、この血の犬には、骨格的にどういう風になる傾向があるのか等、血統書は「繁殖のためのチェック対象犬のリスト」とも言い換えることができます。このチェックリストからも、本当に自分の愛犬を繁殖することが、ボルゾイに対する人間の感情の押しつけにならないかどうか、つまり、無目的な繁殖にならないかどうかを考慮することと、生まれてくる子犬の予測ができます。


次に、自分と愛犬の生活について。
自分の犬に大きな問題行動が出てしまいそうな時、またはその兆候がなくても、「性格の傾向を知るためのチェック対象犬リスト」である血統書を使って、予防すべき潜在的問題行動があるのか、それともそれは、自分の現在のしつけの方法が原因かを知ることができます。健康面についても、同じ血の流れる犬たちに、同じような症例が出ていないか、どうやって治癒させることができるのか、解決の糸口をつかむことができるかもしれません。このような情報は、同じ血を持つ犬の飼い主の他、繁殖者へも伝えておくべきです。繁殖を真剣に考えている繁殖家なら、深刻に受け止めてくれますし、今後の繁殖計画を見直すための貴重な情報になります。ただし、伝え方は慎重に。


つまり、血統書は、スタンダードと愛犬を守っていくために、チェックすべき犬たちの名前のリストとも言えます。

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