散 歩
お散歩は、犬のストレス解消になるだけでなく、愛犬に意識が集中してゆっくり観察できたり、いろいろな刺激に慣れさせる訓練になったり、他の飼主さんとちょっとした情報交換をしたり、犬と一緒に季節を楽しむことができたり、さまざまな面から私たちにたくさんの恩恵を与えてくれます。いつでも、いつまでも、楽しい散歩ができるように、自分の犬はもちろん、周囲にも気を配るよう心がけましょう。



マーキング

オスが成熟してくると、マーキングという行動をします。まず臭いを嗅ぎ、電柱や塀などに、後ろ足を掲げてオシッコをかけます。犬としては当たり前の行動でも、犬が嫌いな人が自分の家の壁にオシッコをかけられたら、どんな気持ちがするでしょう。マーキングはさせないようにしましょう。
病気の場合や老いた時、入院時を考えると室内でのトイレをマスターし、トイレシート等でできるようにしておいたり、散歩の前にも敷地内トイレを済ませてから出かけるのがベストですが、集合住宅や借家、日本の土地事情での庭トイレの場合などは、どうしても後の臭い等の処理が難しかったり、成犬のトイレシーツの使用量は経済的に負担になりがちです。
犬は通常、家を出てから5分程度のうちに、最初のオシッコやウンチがしたくなります。家を出てからできるだけ早く、道のすみや土のある空き地、コマンドを理解してできるようになった子は排水溝をねらうなど、他人に迷惑や不快感を与えない場所を選び、「トイレ」や「ちっち」などの好みのコマンドで(家族で統一しましょう)トイレの許可を与えてください。歩行中は、臭いを嗅ぎはじめたらオシッコ要注意です。基本的にお散歩中でも運動の時間とトイレの時間など、家族ごとに統一したルールを作り、運動のために歩く時間は臭い嗅ぎも一切禁止にしてもいいでしょう。また、うっかりして既にさせてしまったときは、ペットボトルに消臭剤等を入れたオシッコボトルを常に携帯し、流しておきましょう。
お散歩が長い場合やマーキング禁止をよく理解できてない成犬の場合、またオシッコやウンチがしたくなることがあります。ペースがつかめていない犬の場合は、10分に1回程度のペースで、トイレ許可を与えてあげましょう。

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ウンチ処理

必ず持ち帰りましょう。普通のウンチの場合、トイレットペーパーや、おなじみのちり紙(ちりし)などをかぶせ、上からビニール袋ごしに拾うと、家のトイレで流せます。生ゴミとして出す場合は、中身が丸見えにならないようにとか、臭いが漏れないようゴミ袋を二重にするなどの気配りを忘れないようにしましょう。
それから、普段のお散歩ではきちんとしていても、遠出をしたときなどは気がゆるみがちです。コンビニのゴミ箱や、高速のサービスエリアのゴミ箱に捨てることは言語道断です。自分が持っていたくないと思う物を、たくさんの人が利用する公共の場において帰ると言うことは決してしないでください。
車内に置いてニオイが気になる場合、密閉できるタッパーウェアやジッパー付の袋等、専用容器を用意しておくのもいいでしょう。また、犬グッズの中には強い香水つきのナイロン袋など、便利なグッズもありますので、できるだけ他人に不快感を与えないよう気を配りましょう。
ゆるウンチの場合には、取りきれずに地面に残ってしまいます。残った分は携帯しているオシッコボトルの口を、アウトドアショップなどで売っているぴゅーっと出る口に付け替えておくと、比較的容易に流すことができますし、そういった場合に備えて、チラシ等の少し固めの紙をしゃがんだらすかさずおしりの下に敷いてやると、痕跡を残さず、綺麗に処理できます(やわらかい紙は、少々の風でもなびいてしまいうまく敷けません)。また、慣れてくるとウンチのタイミングやそぶりがわかってきますので、抵抗のない人はビニール袋の中に手を入れ、空中キャッチというワザにも挑戦してみてはどうでしょうか?

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ゆるウンチ

お腹の調子が悪くなくても、1回の散歩で2回目、3回目にしたときに、ウンチがゆるくなることがありますが、通常は長時間の運動によるもので心配はいりません。明らかになんらかの原因があると思われる場合、そしてその原因がわからない場合には、獣医さんに相談するなど適切な措置をとってください。ゲリには慣れない物を食べたり、ストレスから来るものから、ワクチンを打っていても発症してしまった恐ろしい伝染病の症状である可能性もありますから、軽視せずに観察を続けてください。お散歩中の処理方法については、上の項を参考になさってくださいね。

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猫ダッシュ

ボルゾイによく見られるのが、猫ダッシュやビビリダッシュです。サイトハウンドという「動く物を追いかける」部分を強められた特性から、素早い動きをするものには、反射的に猛ダッシュをすることがあります。普段は引っ張りもせずに上手に歩ける子でも、しっかりと踏ん張れる靴、ボルゾイの全体重と瞬発力にも堪えられる丈夫な首輪と引き綱で、気を緩めず散歩をしてください。最悪の場合、交通事故で愛犬を失うだけでなく、飼い主本人も巻き込まれてしまうことだってあります。幼児や体力に自信のない方だけのお散歩はやめておいた方が無難です。
さらに、心身の感受性の高いボルゾイですから、普段から首に負担がかかるのを嫌うことから、基本的にぐいぐい引っ張る犬は多くありませんが(しつけ方によってはいつまでも引っ張ります)、木の葉が落ちてきてお尻に触ったり、突然の大きな音でのビビリダッシュをすることもありますので、ご注意ください。
また、ボルゾイにはビビリ咬みというものもあり、曲がり角などで突然人が現れた場合、気づいてないのにお尻からいきなり触られた場合など、驚いたときに反射的に歯をあててしまったり、最悪は咬む場合もあります。このような反応とはまったく無縁の子も少なからずいますが、小さい頃から繊細になりすぎないよう、徐々に刺激を強くしてビビリ改善に努めてください。

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小型犬

社会化が足りない犬の場合、小型犬をおもちゃ(獲物)と思ってしまうことがあります。残念ながら、いろんな犬種が狭い国土にひしめいている日本で育った犬でも、小型犬を襲ってしまった悲しい事件が起きています。小さい頃からご近所の犬仲間の協力を得て、徐々に小さい犬も同じ犬であり、尊敬しなくてはいけないことを教えてください。どうしても小型犬に過剰に反応を示して危ないと思ったら、訓練士さん等の助けを借りてしつけをする一方で、無理に近寄らせないようにしたり、頑丈な引き綱等で、いざという時に制御できる人が散歩を担当するようにしてください。
ご挨拶程度の軽い交流でまったく攻撃性が見えないからといって、安心はしないでください。(ボルゾイに限らず)ふだんどんなに温厚な犬であっても、事故とは無縁ではありません。ドッグラン等で追いかけっこ等の遊びをする中でうっかり踏んづけてしまったり、ぶつかってしまったりの事故や、テンションがあがってしまい、度を過ぎた悪ふざけとも狩猟本能が目覚めてしまったとも思える行動に出てしまうケースがあるということを常に念頭において、他犬との交流方法をもう一度考えてみてください。
ボルゾイの牙はドーベルマンを遙かに凌ぐとも言われています。静かで美しい家族の一員が、人間ではなくボルゾイであることを忘れないでください。自分が自分のボルゾイを愛するように、他の犬にもその犬を愛する飼い主がいることを決して忘れないでください。小さな犬がダメなことを相手の飼い主に告げられないことより、小さな犬を傷つけさせてしまうことの方が、ずっと恥ずべき事です。

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自由運動

どの犬もそうですが、ボルゾイの美しいからだをより美しくするためには、ターンやある程度の距離の猛ダッシュを含めた自由運動がとても大切になります。しかし、自分の犬が他の犬種と一緒に遊ばせることで制御できなくなると思ったら、勇気を出して断ってください。時には「犬だって自由が必要なのよ。かわいそうじゃない。」とわざわざ言いに来るおばちゃんもいますが、もしも道路に飛び出して死んでしまったとき、他の人間や犬を傷つけてしまった時、そのおばちゃんがどう責任をとってくれますか? 自分の家族は自分で守るしかありません。ボルゾイという自分の犬の犬種と個性を把握し、確実に安全と思った場所で、全神経を集中させて自由運動をさせてください。楽しい飼い主同士の犬談義は、犬の命綱である引き綱をしっかり着用したあとで、思い切りするようにしましょう。

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緊急時対策

お散歩中に万が一愛犬が動けなくなるような大けがをしてしまった時のために、持っている人は携帯電話を忘れずにお散歩へ行きましょう。携帯電話には自宅はもちろんのこと、いつもかかっている動物病院の電話番号を「動物病院」、「獣医さん」、「○○先生」、「○○(愛犬の名前)の病院」など、普段呼んでいるあらゆるパターンで入力しておくことをお薦めします。自宅の電話機にも、同じように短縮ダイヤルに入れておくとよいでしょう。個人的経験では、心臓が停止している愛犬を前に手が震えて番号が上手に押せませんでした。いざというときにも冷静に対処できる方は、一通りの入力方法で大丈夫かもしれません。
逆に、ちょっとのことでも、犬のこととなると手がぶるぶる震えて、筋道立てて話ができないくらい動揺しちゃうタイプという自覚のある方は、ペットキャブやペットタクシーと呼ばれている業者が利用可能でしたら、その連絡先も調べて登録しておきましょう。運転者を含んで家族が2人以上いる場合の緊急時なら必要ないかもしれませんが、足の確保ができない時間帯に、散歩の先で歩けなくなった時や、CPRを続けながら移送を行いたい場合には必要です。
また、旅行などでちょっと遠くへ出かけるとき、大抵の犬OKの施設では病院の連絡先の準備もあるようですが、念のためにNTTのiタウンページの携帯電話版にブックマークをしていると安心ですね。

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